レジャー

冬の那須高原を満喫する、森のスノーシュー体験!【那須平成の森】

冬季限定!銀世界が広がる、
那須平成の森の魅力

こんにちは。ナスモライターのタッキーです。
以前にご紹介しました、那須高原の自然を満喫できるスポット「那須平成の森」。

那須平成の森フィールドセンターのエントランス
那須平成の森フィールドセンターのエントランス

今回は冬の那須ということで、ウィンターシーズンの楽しみ方をご紹介するため、再びフィールドセンターを訪ねました。

過去にご紹介した記事。「那須平成の森」について、詳しく触れています。

那須平成の森は冬季も開園しており、雪の中でスノーシューを楽しむことができます。

園内を自由に散策してもいいですし、ガイドさんと一緒に園内をまわる、ガイドウォーク(要予約)も体験できます。

最初に今日の予定を伺う取材班

今回の参加メンバーは自分のほかに、同じくナスモライターのあゆさんと、ニイカ君が加わり、合計3名での取材。

全員、この日のために防寒対策をバッチリ決めて、準備万端。とっても楽しみにしていました。

スノーシューがレンタルできる。冬ならではの光景

ちなみにスノーシューとは、雪の上を歩行するための道具で、西洋版のかんじきとも言えそうな形状をしています。
これで雪が降り積もった地面でも、雪に足を取られることなく、歩くことができるんですね。

ヴィンディングで足を固定するシュノーシュー。かかとは浮くようになっている

標高が1000メートルにもなる那須平成の森は、雪がかなり降り積もるので、
冬場の森に入るときにはスノーシューが欠かせません。

Myスノーシューを持参してもいいですし、フィールドセンターにてレンタルすることもできます。(自由散策 1,000円・ガイドウォーク 500円)

左からあゆさん、ニイカ君、そして平成の森のマルコさん

今回、ナスモ取材班はフィールドセンターのインタプリター、マルコさんにガイドしていただきます。ちなみにインタープリターとは、通訳者の意味。
人と自然の仲介役として、さまざまなことを教えてくれる、自然に精通したガイドさんのこと。

さて、最初にスノーシューの履き方をしっかりとレクチャーしていただき、雪が降り積もる森の中へと、いざ出発!

スノーシューを装着し、雪の森の中へ

ナスモ取材班:今日はよろしくお願いいたします。

よろしくお願いします。これから一緒に森を歩いていきますが、今の時期は雪で埋まっていて、道が分からないんです。
そこでピンクのテープを10mおきくらいに木の枝に結んでいます。それを目印に歩いていきましょう。


たしかに目印がないと、道に迷いそうで少し不安になりますね。

自由散策のときはテープを目印に歩いてもらいますが、ガイドウォークのときはルートから少しだけ外れてみます。
そこで普段は見れないものや、冬ならではの雪上の体験も一緒にやろうと思います。

マルコさんに続いて森へと入っていく

銀世界の森の中へと足を踏み入れる一行。スノーシューが大きな足跡をつけながらサクッサクッと軽快な音を鳴らします。ハイシーズンは多くの人が訪れる森ですが、冬はとっても静か。夏とはまた違う美しさを感じます。

おっ、さっそくあそこ見てください。
動物の足跡があります。

あゆさん


あ、ほんとだぁ。

足跡をサンプルと見比べてみる


なんの動物だろう


なんか肉球があるように見えませんか。


たしかに。キツネかタヌキですかね。

キツネはモデルさんのような歩き方をするので、足跡が一本線に近いんですよ。でもこれは時折、足跡がバラついてるので、もしかしたらタヌキかもしれませんね。

あゆさん


ケン、ケン、パッ的な感じですよね。

一同:アハハッ!


あっ、木の根本にオシッコして、マーキングしてる!

足跡をたどると、木の根本に黄色いシミが


匂い、嗅ぎたい人?

あゆさん


いえ、けっこうです(笑)

ためしに、僕、嗅いでみますけど、動物園で野性的な動物の檻の前に行った匂いがするんですよ。
(木の根本に顔を近づけて)あぁ~~、これは。ハイハイハイ、間違いない。これはキツネですね!

あゆさん


うそー、そんなにー!

興味を惹かれて、結局、順番に匂いを嗅いでみる取材班。鼻が冷たいせいなのか、匂いがするような、しないような。それより、みんな木の根本に顔を近づける姿がおかしく、思わずゲラゲラ。冬ならではの体験でした。

このあとも、たびたび動物の足跡を発見した一行。
雪が積もっていることで、森の中で確かに生き物が暮らしていることに、気づくことができるのです。

リスやうさぎから、大型の動物ではツキノワグマやカモシカも棲息しているそう

さて、しばらくして、今度はルートから少し外れてそれぞれ自由に歩いてみることに。
踏み固められていない、まっさらな雪原に一番乗り。サクッサクッと新雪を歩きます。スノーシューの形に雪が沈んでくれて、効果バツグン!

スノーシューだと、歩きやすさが全然ちがう

森の生態系のなかで、自然と一体になる

緑の葉っぱがほとんどないなか、前方に1本だけ、針葉樹を発見。

これは、もみの木です。クリスマスツリーですね。
この葉っぱの匂いって嗅いだことありますか?

冬の森で巨大なもみの木だけが、緑の葉を生やしている


気にして嗅いだことはないかも。

細長い葉っぱを1枚だけとり、ちぎって匂いを嗅いでみてください。

「あっ、いい匂い!」


なんか目が覚める、ミントみたいな香りですね。

この葉っぱの中には、フィトンチッドという成分が含まれているので、副交感神経を刺激して、リラックスするんです。逆に虫は嫌いな匂いなので、防虫作用があります。ここ見てください。ちょっと幹にキズがありますよね。これ、なんだと思いますか。


鹿かな。

 

鹿の角を取り出し、幹のキズと見比べてみる

 

そうですね。シュッと長いキズ跡なので、おそらく鹿ですね。
鹿は角を下から上に向かって、ガリガリっと研ぐんですよね。それになぜか、もみの木が使われます。
彼らはお風呂に入れないので、いいニオイがする木でこすって、防虫的な役割もあるんじゃないかと。


なるほど〜。天然の防虫スプレー(笑)

さらに雪の森のなかを奥へと歩いていく一行。
途中、雪の上に寝そべって、上空を見上げながら静かな時間を過ごしたり、キツツキが開けた木の巣穴を見たり。

雪の上でしばし休憩
森の上を雲が流れていく。リラックスした瞬間
頭上を見上げると、キツツキが開けた巣穴が
経年で穴が大きくなるにつれ、大きさに合う動物が利用していく

動植物の生態をつぶさに観察しながら、広大な森の中で雪遊びができる場所って、意外と少ない気がします。

天然のソリ場で滑走!

次にマルコさんに案内してもらったのが、ちょっと開けた雪の斜面。
ここはお水が染み出す、川が始まる地点の沢。雪の下には水を保っている層があり、冬はなんと、天然のソリ場になるのです。

遮熱シートをソリがわりにして、雪の斜面を滑る

こうしたポイントは、自分ではなかなか見つけることができないはず。
ガイドウォークだからこそ、アクセスできると思うと、ちょっと得した気分。


最初からうまく滑れるか微妙ですけど、何人か滑ってコースを作れると、、、


と喋りながら、滑り出してしまう、マルコさん。

一同:アハハハ(爆笑)すご~い!!

続いて順番に滑っていく、取材班。ソリをやってみて分かったのは、滑り出すポイントに来ると、容赦なく滑り出してしまうこと!

喋りながら、滑り出していくあゆさん
続いてニイカ君。コントロールが意外と難しい

 

ナイスな滑りを見せてくれた、あゆさんの雪上ソリ!

森の主、ブナ太郎に会いにいく

そして最後に、那須平成の森の職員さんが親しみを込めて「ブナ太郎」と呼ぶ、大きなブナの木に案内してもらいました。ちょうど谷を見下ろす斜面のきわに、堂々と鎮座しています。

立派な大木、ブナ太郎に到着

ここまでの大きさになるには、樹齢がおよそ200〜300年は経っている、森のシンボル的な存在です。

横から見ると、谷に向かって太くなっているのが分かる

そういえば、前回の取材で知ったのは、平成の森が御用邸用地になる100年以上前は、開けた馬の放牧地だったということ。

御用邸になってから育ちはじめた若い森のなかで、歴史の古い巨木のある場所は、馬が近づけない谷の近くにあることを思い出しました。

木の精霊が宿るような巨樹から、パワーがもらえそう
枝に黒い線が見えるのが、根元へと雨水を運ぶ水の通り道、樹幹流

重々しく、立派な姿をしているブナ太郎。御用邸用地になるよりももっと前から、ここ那須高原の移り変わりを見つめてきたんですね。

那須平成の森になり、再び人が触れ合うことができるようになったかと思うと、なんだか感慨深いものがあります。

出発地点のフィールドセンターに到着

ブナ太郎に別れを告げて、フィールドセンターへの帰路につきます。
トータル2時間のガイドウォークを堪能した、取材班。

最後に新雪の上で、お決まりの人型にダイブ!

まっさらな雪を見ると、大人もやりがち

ナスモ取材班:今日は本当にありがとうございました。楽しかったです。


お疲れ様でした。また遊びに来てくださいね。

今回ご紹介した以外にも、マルコさんから森の生態系について、いろいろお話しをお聞きしました。 

スノーシューはガイドウォークで楽しむことができますし、またスノーシューだけレンタルして、個人で自由散策をすることもできます。
ぜひ、「那須平成の森」で白銀の那須を楽しんでみてはいかがですか。

また冬季限定で夜の月明かりに照らされた森を歩く、「ナイトフィーリング〜夜を感じるスノーシューハイク」などのプログラムも開催しています。
スケジュールなど詳細は「那須平成の森」のHPでご確認ください。

ナイトシュノーシュー

ご注意:
積雪時の「那須平成の森」へのアクセスは、スノータイヤが必須になります。また、天候により予定が変更になる場合がありますので、事前に「那須平成の森」までお問い合わせください。

那須平成の森フィールドセンター
【場所】栃木県那須郡那須町高久丙3254
【開園時間】9:00~16:30(5、8、10月のみ 9:00~17:00)
【休園日】水曜日(祝日の場合はその翌日/GW、お盆、年末年始は無休)
【HP】https://nasuheisei-f.jp/
【メール】info@nasuheisei-f.jp

この記事を書いた人

タッキー

那須コーヒーパルキ店主。さいたま市出身。 2016年那須町に移住。自家焙煎のコーヒー店を営業し、那須を取材する圏外ライターとしても活動。那須のフリーマガジン「森の子」の企画・編集。森での自給的暮らし、音楽活動、登山など。

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