那須町教育長とぶっちゃけトーク!〜教えて!教育長の本音〜【後編】

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こんにちは。かなえです!

前編に引き続き、教育長インタビューをお送りしていきます。

今回は、

「教育長って、ほんとはどんなこと考えてるの???」

というわけで、

教育についてどう思います?
那須町についてどう思います?

という、教育長の”ホンネ”を取材してきました!
元教員という立場から、那須町の教育の特色などについてもお話してきました。

前編では、教育長の人となりや、プライベートについてもお聞きしているので、ぜひそちらもご覧くださいね!

 

教育長の理想って?

 

一般的に教育とか学校って、とっつきにくかったり、正解がないだけに人それぞれイメージするものが異なっていたりすると思うんです。

教育長が思う、”理想の教育”や”理想の学校”ってありますか?

なかなか難しいねえ。

だけど私が思うのは、子どもたちが、自分の学校生活、学級生活、学校行事などをより良いものにしようと話し合って実現できるような学校かな。

子どもたちの生活の場だから子ども主体の学校であってほしいと思っているよ。
学校って、子どものためにあると思うんだよね。

あと、トラブルを学びに変えられるような学校であってほしいと思っている。

”子ども主体の学校””トラブルを学びに変えられるような学校”。具体的にどのようなイメージでしょうか?

例えば、学級の係。
本来、子どもたちが自分の学級生活をより良く、楽しく過ごすためにはどんな係があったらいいのか、自分たちで話し合って決めるとか。

先生たちは忙しいから、教師から見て、必要だと思われる係を子どもたちに示してしまうこともあるよね。

確かに、提示してしまうことが多いですよね。

子どもたちが考えたら、もしかすると、教師が思いつかないような、子どもたちの学級生活に必要な楽しい係があるのかもしれないよね。

与えられた係じゃなく、自分たちで考えた係なら、やらされているという感覚ではないから、「どの係を引き受けてクラスの役に立とうかな」と前向きに考えられる

自分たちが考えて、自分たちで実践することが大切なんだと思う。  

子どもたちは自分たちで決めたこととなると、俄然やる気を出しますよね。

でも、これでいつも成功するとは限らない。成功しないほうが多いと思う。実社会でもトラブルはつきものだからね。

でも失敗したり、トラブルになったりしたら、もう一度みんなで話し合って、折り合いをつけながら、より良い学級を目指す。それに意義があるんだよね。

こういった経験をたくさん積んで、大人になっていくことが大切だと思うんだ。

大人になったら、折り合いをつけなきゃいけないことばかりですしね。

学校って、これから大人になっていくために成長していく子どもたち集団生活の場なんだよね。

一般社会では「子供同士仲良くするのが当たり前、トラブルはあってはならない」と思っている人が多いようだけどね。

大人社会だって、「この人とは一緒にいたくねえ」と思う人が身近にいたり、人間関係がこじれてトラブルになったりと色々あるよね

子どもならなおさらですよね。

うん、これから様々な勉強をして大人になっていこうとする子どもたちの集団だから、トラブルが起こって当たり前なんだよ。

トラブル大いに結構。

問題は早く見つけて、起きたトラブルを双方の子どもたちの学びに変えてやるような指導が必要なんだよね。

「ケンカはだめよ。はい握手して、仲直り」なんて言って形だけ手を握らせても、決して真の解決にはならないし、子どもたちの学びにはつながらない。

「どうしたらいいと思う?」とか「自分たちで解決できないなら、先生に何をしてほしいの?」など、子どもに考えさせて行動できるよう促す指導が必要だと思う。

子どもたちは、トラブルを自分で解決したり、相手や自分と折り合いをつける経験などを数多くしたりして大人になっていくんだと思う。

とはいえ、学校現場も朝から夜まで毎日激務で、なかなか余裕がないというのもありますよね。

なかなか十分な時間が生み出せていないのが現状でもあるね。

でも、忙しいからと言って、こういったことすべて、大人が決めたことで子どもたちを動かしていたら、子どもたちにとってはせっかくの学びの機会が失われるばかりか、学級生活が楽しくなくなるよね。

学校現場では、どうしても時間の制約ができてしまうので難しいのは重々承知ですが、それでも大切にしたいことですね。

 

那須町の教育あれこれ

那須町といえば、

・コミュニティスクール
・幼保小中一貫教育
・NAiSUタイム(那須町独自の教科)

など、特色ある教育を行っていますよね!それについてお聞きしていきます。

「コミュニティスクール」

教員時代に、那須町で地域の方と子どもたちの交流が盛んに行われているので驚きました!

そうなるように頑張って来た成果がやっと出て来たね。
コミュニティスクールを始める前は、「地域でお祭りやっても、公民館で行事やっても、子どもたちの姿がない。」と、地域の方にお叱りを受けていた。

学校適正配置(統廃合)で学校数も減って、母校がなくなってしまった地域の人たちはものすごく悲しい思いをして、学校からもますます遠くなっていた。

それをどうにかしないとって、地域の人たちがどんどん学校に入ってこられるようにしようっていうのが、コミュニティスクール。

ミシンボランティア、キャリア講座、田植え、プール指導、車椅子体験、俳句作り、習字、相撲、お囃子の復活、お祭り、炊き出し訓練、たくさん子どもたちに関わってもらっているね。

子どもが育つ上で子供が、親と先生しか知らないなんていうのは、ダメだよね。

地域の多くの大人と、豊かな関わり合いを持ちながら、子どもが育っていく那須町にしたいよね。

ここ数年で、那須町の学校が随分良い方向に向かってるなって感じるよね。

「幼保小中一貫教育」

コミュニティスクールでの地域との横の繋がりに加え、「幼保小中連携」の縦の繋がりも那須町の特色ですよね。

そうだね。ある意味、那須町だからこそできる教育って大事にしたいなって思うよね。規模が小さいから、小回り効くもんね。

小学校の先生と幼稚園の先生たちが一緒に研修したり、幼保小での子どもたちの交流・小中の交流が盛んになったり、那須町だからこそできる教育だよね。他の自治体でなかなかやろうと思ってもできることじゃないもんね。

かなり特色ある教育だと思う。
つなぎ目、ギャップをなくすための小さい町ならではの取り組みだね。

那須町独自の教科「NAiSUタイム(ナイスタイム)」

那須町で独自に新教科を作ったのには、どのような背景がありますか?

「NAiSUタイム」は、「防災教育・プログラミング教育・人間関係プログラム」の3つの柱からなる那須町独自の新教科。いきなり作ったわけではなく、もともと、それぞれに始まってたんだよね。

柱①:防災教育

あまり聞きなれない言葉ですよね?

東日本大震災の時、津波の教育をきちんとしていた自治体と、そうでない自治体で、死者行方不明者数の違いが出たよね。これは教育長としては、見逃せなかった。
それで、なんとかしなくちゃと思っている間に、御嶽山が噴火。うちも、活火山の那須山持ってるでしょ。そこから、気象台の方に相談したり、来てもらうようになって、本格的に火山防災、地域防災の教育を始めたんだよね。

この防災教育をやることによって

”自分の身は自分で守る”

”児童生徒である前に地域の一員として、何ができるかを考え、行動できる”

子どもたちを育てたいと思っています。

 

柱②:プログラミング教育

プログラミング必修化は2020年ですが、那須町では先行導入ですね!

4年前に新学習指導要領で必修化になるよって発表された時くらいに、ちょうど町内の小学校でパソコンクラブを立ち上げた。その時、指導者として入っていただいたのが現在の那須町のプログラミング教育スーパーバイザーの星野尚先生。そこでやっていたのがプログラミングだった。

それを見に行った時に、これからの教育はこれだ!って思ってね。

そんなことから星野 先生に指導を受けながら、現在のプログラミング教育を進めているところです。

実は、県内で那須町が一番プログラミング進んでるよって言われたくらい、今のところ周りに先駆けてやっているね。

 

柱③:人間関係プログラム

どうして人間関係なのでしょう?

それは、那須町が小さい学校が多いから、子どもたちのコミュニケーション力が未熟だっていうんで設けたの。

なんでも大人がやってあげられちゃうから、最後まで自分の意思を伝えなくてもなんとかなっちゃうんだよね。だから、あえて人間関係構築スキルを学ぶ機会をつくるようにした。

私が教師だった頃も実践していましたが、「人間関係プログラム」の取り組みを取り入れて、クラスの子どもたちが穏やかになっていくのが分かりました。

続けると、教室の雰囲気が明るくなるってよく先生たちは言うんだよね。

実際に、全国からの視察も増えいてね。
「NAiSUタイム」の内容は、これからの子どもたちにとってすごく必要なこと、有意義なことをやっている。那須町から全国に発信していけるようになればと思っているよ。

 

那須ステキだけど、住みにくくない?

 

那須町で子どもを育てる難しさや課題はありますか?

子どもが自分の足で、どこの施設に行きたい!って言っても、自分一人では行けない。
親の助けを借りないと、スポーツ少年団の活動もなかなかできない。それは歯がゆいね。

やっぱり、自分の足で、やりたいことをやりにいくっていうベースの部分、やらされてるじゃなく。それは大切にしたいけど。それができないっていうのは、残念。
みんな親に送ってもらわないといけないからね。

那須町はごみごみしてなくて、子育てするには非常に良い場所なんだけどね。

那須町に移住を考えているご家族に一言お願いします!

夜の灯火に惑わされないで、家の中でしっかり家族の絆をつくるという視点で考えると、すごくいい町だよね。

親がその気になれば、自然もいっぱいあるし、無料で自然の中に入れるところなんていくらでもあるし。

でも、人任せにしようと思うと、こんな不便な町はないと思うんだ(笑)

確かに。自主的に動けるのであれば最高ですよね。

公共交通機関も少ないし、学校が近くにない地域に済む家庭もあると思うんだよね。
そういうところは、十分調べてきてほしいかな。
例えば、2km歩くとか、都会ではあまり経験できないことができるわけだよね。

何もかも、危険だで済ませないで。子どもが成長するまで、親も成長しようって、那須の環境をプラスに捉えて来てもらえれば、子育てするのには、こんな良い町ないんじゃないかな。

お話を聞いたら、田舎で育ったということがなんだか誇らしく感じられました(笑)

教育長、長い時間(なんと2時間も!)インタビューにお付き合いいただき、本当にありがとうございました!

 

インタビュー後記

那須町の子どもたちに、どんな子に育ってほしいか、子どものうちにどんな経験をさせたいかなど、未来を見据えた教育を考えていて、柔軟な考えをお持ちの方でした。

つい大人目線で子どもに接してしまいがちですが、子どものことを考えたら、本当に大切にすべきことは何?忘れてはいけないことは何?と問いかけられているような。子どものことを真剣に考えるお気持ちが伝わってきました。

那須町独自の取り組みが多いのも、子どもたちのことを一番に考えてのこと。個人的には、これから那須町で育っていく子どもたちがますます楽しみです。

前編では、教育長ご自身のお話・教育長の素顔についてお聞きしています!
留学経験、教員になることを反対されていたお話など、聞き応えのあるお話をいただきました。ぜひ読んでいってくださいね!

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